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はつ油性 [oil repellent]
はっ水性が水をはじく現象をさしているのに対して、はつ油性は水も油もはじく現象をさし、はっ水はつ油性という表現がよく用いられている.具体的にいうと固体上に水や油の液を滴下しても、固体表面上で広がらず滴として存在する現象のことである.このはつ油性もはっ水性と同様に固体表面との濡れ性が関係している.はっ水性を発現するためには、固体表面に水となじみにくい炭化水素鎖があれば十分であるのに対して、はつ油性をもたせるためには、炭化水素構造では一般的な油となじみがよく不十分である.はつ油性を発現させるためには、固体表面には、おもに炭化水素からできている一般的な油より表面張力が低いことが要求され、その化合物としてはフッ素系有機化合物があげられる.このフッ素系有機化合物を含有する固体の表面張力は液滴の表面張力より小さくなるため、液を滴下しても広がらず滴として存在するのである.(南孝司)