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インターロイキン-1 [interleukin 1]
インターロイキン(細胞間の情報伝達物質を担うタンパク質、とくに免疫機能を担当するリンパ球系の細胞どうしを活性化、あるいは抑制する物質)の一種で、IL-1と略記する.以前は、マクロファージがTリンパ球を活性化する物質として同定されたが、その後さまざまな細胞で産生されること、また多様な機能を示すことが判明した.ケラチノサイト(表皮角化細胞)や線維芽細胞など、皮膚を構成する細胞でも産生される.IL-1には、αとβの2種があり、それぞれ約31 kDaの前駆体(proIL-1α、proIL-1β)として生合成されて、約17 kDaの成熟型に変換される.そして、両者とも標的細胞上の特異的な受容体(IL-1レセプター)に結合して標的細胞に情報を伝達する.IL-1αやβの受容体への結合を阻止するタンパク質として、IL-1レセプターアンタゴニストが知られている.なお、表皮におけるIL-1αの産生は、紫外線照射により亢進し、紫外線による炎症反応の一因と考えられている.(平尾哲二)