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皮膚がん [skin cancer]

皮膚がんにはケラチノサイト(表皮角化細胞)のがんとして有棘(ゆうきょく)細胞がん、基底細胞がんとメラノサイトのがんである黒色腫がある.太陽紫外線は皮膚がんを発生させるおもな原因の一つで、発がんは紫外線によって損傷されたDNAの修復不全が大きな原因であることが明らかになっている.皮膚がんは頭部、頸部、腕や手に発生し、その発生頻度は、メラニン色素が多く日光照射によって色素沈着を起こしやすい黄色人種には少なく、白人に頻発する.また、白人の中でも戸外労働従事者や太陽光線の強い地域に居住するヒトの発がん率が高い.また、黒色腫は赤毛の白人に多発する.これはメラノサイトで産生されるメラニンが、黒いユウメラニンに比べて赤黄色のフェオメラニン含有率が高いことに関係しているといわれている.ユウメラニンはスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素を消去する作用があるが、フェオメラニンは紫外線照射によってスーパーオキシドアニオン、過酸化水素を発生させることが確認されている(→フリーラジカル).このメラニンの活性酸素消去あるいは産生が紫外線による黒色腫発生に関連があるのではないかと考えられている.(正木仁)

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