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ペパー油 [pepper oil]
コショウ科のペパー(Piper nigrum L.)の実より水蒸気蒸留法で得られる精油.原産はインドやミャンマーであるといわれ、精油はインドやスリランカなどでつくられている.ペパーにはブラックペパー(黒胡椒)とホワイトペパー(白胡椒)があり、未熟の実を乾燥させたものが前者、完熟した実の外皮をはいだのが後者で、精油もそれぞれブラックペパーオイル、ホワイトペパーオイルとよばれる.おもな香気成分はモノテルペン系炭化水素類(70〜80%)とセスキテルペン系炭化水素類(20〜30%)および含酸素化合物(4%程度)であり、シャープな香りが特徴である.なお、溶剤抽出で得られるオレオレジンには、香りに加えてピペリンを主成分とする辛味成分が含まれる.大部分が食品用で消費されるが、香粧品でも男性用香料やオリエンタル調に微量加えてスパイシーノートを付与するのに用いられる.(小笠原俊彦)