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ペルーバルサム [peru balsam]
マメ科バルサム属のMyroxylon pereirae(Royl)Klotzshの樹幹の浸出物から溶剤抽出法や水蒸気蒸留法で得られる精油のこと.おもな産地は中米のエルサルバドルである.この名前は、昔、中米産の品物はすべてペルーを経由して欧州に運ばれたことから生まれたといわれている.この樹木は高さ30 mにもなり、樹齢5年から、長くは40年くらいまでの樹からバルサム(樹液)を採ることが可能で、古い樹のほうが品質も収率もよいといわれている.1本の樹からは年間2〜3 kgのバルサムを得ることができる.浸出物の採り方には、樹皮に傷をつけてから焦がしてバルサムを浸出させる方法と、傷口に布を当てて吸収させる方法がある.しかし、ペルーバルサムには感作性を示す成分が含まれるため、浸出物そのままのものは、香料として使用しない.香気はバニラのような甘い香気であるので、オリエンタル調の香り、またタバコなどのフレーバーとしても使用される.(木内さおり)