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ミセル [micelle]
界面活性剤のように分子内に親水基（水になじむ部分）と親油基（油になじむ部分）を併せもつ両親媒性の分子が溶媒（おもに水）中でつくる、有限会合数の会合体（分子集合体）．通常、会合数が百数十分子程度の球状の会合体であるが、濃度が高まるなど特定の条件下では、会合数が増えて棒状や板状のミセルとなることもある．水中で親油基どうしを向け合って集まり、親水基を外側に向けたミセルを正ミセル、あるいはたんにミセルとよぶ．これに対して、油中で親水基を向け合って集まり、親油基を外側に向けたミセルを逆ミセルとよぶ．典型的な両親媒性分子である界面活性剤の特徴的な性質である洗浄能、乳化能、可溶化能は、ミセル形成に伴って生じる．（鈴木敏幸）