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陽イオン性界面活性剤 [cationic surfactant]
水に溶かしたとき、イオンに解離して親水基の部分が陽性に帯電する界面活性剤のこと.カチオン性界面活性剤ともいう.陰イオン性界面活性剤とは逆の構造を有していることから、逆性石けんともよばれ、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などの脂肪族第四級アンモニウム塩や、脂肪族アミン塩、芳香環を含むベンザルコニウム塩などの環式第四級アンモニウム塩などに分類される(次頁の表).洗浄、乳化、可溶化などの界面活性作用は、陰イオン性界面活性剤に比べると弱い、もしくはほとんどない場合が多い.しかし、表面がマイナスに帯電している毛髪に吸着し、つや、柔軟効果や帯電防止効果、平滑効果などのコンディショニング性を示すため、ヘアリンス剤に用いられるほか、殺菌剤としてにきび用剤、腋臭防止剤*、育毛剤などに使用されるものもある.(小出倫正)