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硫化水素 [hydrogen sulfide]
パーマ剤1液を毛髪に塗布したときにメチルメルカプタンとともに発生するガス．分子式H2S、分子量34.1、沸点−60℃で、発生量は多量であるが、メチルメルカプタンよりも臭いは弱い．パーマ剤以外にも、生ごみやトイレの悪臭成分として確認されている．パーマ臭の一成分で腐った卵様の悪臭で毒性のあるガスである．硫化水素はSH基をもち、通常はアルデヒド、不飽和ケトンや重金属と反応して消臭することができるが、パーマ剤では1液の主成分であるチオグリコール酸（HS-CH2-COOH）のSH基とも反応してしまうために消臭することは困難であり、いまのところ成功していない．しかし、1液に適切な香料を賦香させることでマスキング＊し、ある程度は悪臭を感じなくさせる努力がなされている．（久保早苗）