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エラグ酸 [ellagic acid]
医薬部外品主剤として有効性が承認されている美白剤の一つ.イチゴやリンゴ、ユーカリ、ゲンノショウコなどの植物に広く存在し、ポリフェノール構造を有する化合物である(図).没食子酸から合成することも可能であるが、化粧品としては、南米西部地方の砂漠地帯に生息しているマメ科植物のタラ[Caesalpinia spinosa(molina)Kuntze]の鞘(さや)から抽出したタラタンニンを酸化させ、得られた粗エラグ酸を精製したものが市販されている.おもな作用は、メラノサイト中におけるメラニン生成の過程で働くチロシナーゼの活性を阻害することであるが、この作用機序はチロシナーゼの活性に関与する銅イオンを取り込む(キレート)作用である.そのほか、抗酸化なども報告されており、これらの総合的な働きで美白効果を発現している.(三部晶子)