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界面活性剤相 [surfactant phase]

界面活性剤分子が無限に会合したもの.親水部に水、親油部に油を可溶化した両連続構造をもつ(→総論図13.10).D相ともいう.酸化エチレン(EO)型非イオン性界面活性剤、油、水の3成分が共存するとき、曇点*以下の温度では界面活性剤が親水性を示すため、油を可溶化した膨潤ミセル水溶液と油の2相が存在する.一方、曇点以上の温度では、界面活性剤は親油性となるため、水を可溶化して親油基を外側に向けた膨潤ミセル(逆ミセル)油溶液と水の2相となっている.温度がちょうど曇点付近になると、界面活性剤の親水性と親油性がつり合って界面活性剤の会合数が著しく増えた状態となる.そこでは水相や油相のほか、多量の水と油を可溶化した界面活性剤相が出現して系は3相となる.D相と油相、水相との界面張力は低い(図).D相が存在する条件下で界面活性剤濃度を増していくと、水相、油相の量は徐々に減少して、親水部に水、親油部に油を可溶化したD相が単独で存在するようになる.この状態はミクロエマルション、またはマイクロエマルションとよばれる.(鈴木敏幸)

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