エラスチン線維は真皮に存在し、コラーゲン線維とともに皮膚の弾力性にかかわる成分で、もともと体内では不溶性物質であるが、これを加水分解し、水溶性としたものである.加水分解エラスチンともいう.保湿成分として用いられているが、皮膚の保護改善作用、柔軟化作用、弾力性の向上作用などがあり、たるみ、しわ防止のため、老化防止化粧品を中心に配合されている.化粧品原料としての由来はおもに牛の靭帯で、これから抽出したエラスチンを酵素処理により加水分解した溶液が市販されている.最近では馬の腱を用いたり、マグロなどの魚の皮から得た海洋性エラスチンなども市販されている.(三部晶子)