カロテノイド色素の一種.a、b、gの3種の異性体が知られている.カロテンの水酸化誘導体のキサントフィルもカロテノイド色素に含まれる.これらを経口摂取すると、おもに腸粘膜でビタミンAが生成されるが、ビタミンAに変化せず腸管より吸収されるものもある.こうしたカロテノイドは血中に移動し、b-リポタンパク質と結合する.また、血中カロテノイドは角層に沈着しやすく、角層の厚い部位や皮下組織に特有の黄色を示すが粘膜には通常沈着しない.なお、皮膚の黄色はおもにカロテンに由来し、女性より男性に多い.ミカンを食べすぎたときに手が黄色くなるのは、このカロテンの影響と考えられている.(舛田勇二)