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化粧品の使用感評価 [sensory evaluation of cosmetic]
化粧品の使用感の評価は、準備→評価実施→結果解析の手順によって実施される.準備段階では次のようなことを考慮する.すなわち、①パネルとして訓練された官能評価の専門家を用いるか一般消費者を用いるか、②評価したい試料のみを用いるか(絶対評価)対照品を用いて評価するか(相対評価)、③アンケートの形式をどうするか(SD法など)、④そのさいにどのような用語を選択するか(剤型および使用段階に応じて、官能的特性用語を選ぶ)などである.つまり、だれに何をどのように評価してもらうかの計画を立てる.パネルの数は調査目的によって異なるが、一般に客観的な判断が必要とされる分析型官能評価では、2〜20名程度、嗜好型官能評価では、50〜300名程度が必要とされる.結果の解析では、アンケートの尺度を数値データに置き換え、統計的処理を行うとよりわかりやすい.官能のみで使用感を評価する方法はデータの精度や再現性、一度に評価できる試料数などに限界がある.そこで、まだ化粧品業界で広く普及した統一評価方法には至っていないが、機器を用いて客観的な数値データでとらえようとする試みが各メーカー独自の方法でなされている.その例として表面摩擦特性測定器を利用したマッサージクリーム使用感の客観的測定などがあげられる.