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紅斑 [erythema]

皮膚に現れる赤色の斑で、毛細血管の一時的な拡張と充血による皮膚炎症反応の一つで、強い日光に当たった後や刺激物質に触れた後などに生じる.日光(UVB)照射後に生じる紅斑反応には、次の二つの説が提唱されている.一つは真皮血管への直接作用による説であり、もう一つは、UVB照射を受けた表皮細胞から分泌されてくる化学物質が真皮へ拡散して血管を刺激するという説である.一般には2番目の説であるケラチノサイト(表皮角化細胞)由来の化学物質が原因とする説が、UVB照射後から紅斑反応出現までの時間のずれをうまく説明できるので受け入れられている.紅斑を引き起こすケラチノサイト由来の化学物質については次のようなものが考えられている.①紫外線照射により生じるフリーラジカル、②炎症性のサイトカイン、③炎症性の化学伝達物質(プロスタグランジン)、④血管拡張作用を示す一酸化窒素.また、UVBによるDNAの損傷と修復が紅斑反応に関係していることも近年明らかにされている.UVAはUVBによる紅斑反応を増強することが知られている.UVAの単独照射によって生じる紅斑反応は潜伏期がなくUVA照射直後から観察され、数時間から12時間持続する.また、長波長UVAであるUVAI(340〜400 nm)による紅斑反応の原因は血管の内皮細胞から分泌される一酸化窒素が原因であることが報告されている.(→紫外線)(正木仁)

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