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サンダルウッド油 [sandalwood oil]
ビャクダン科の半寄生常緑の喬木サンダルウッド(Santalum album L.、 和名は白檀、檀香)の材部と根を細断したものから水蒸気蒸留法で得られる無色または淡黄緑色のわずかに粘性のある精油.インドネシア、インド、スリランカなどがおもな産地である.サンダルウッドには多くの変種が存在するが、一般には東インド産のものをさすことが多い.材部は中心部の心材とその周囲の辺材からなっているが、心材により強い香気があり、この心材と根の部分にもっとも多くの精油が含まれている.材が成熟して精油が採取できるまでには少なくとも30年以上が必要で、通常は60年以上経たものが対象とされている.おもな香気成分はサンタロール(90%)で、α体が60%、β体が30%である.香気は持続性に富み、さまざまな調合香料とよくブレンドするので、香料素材として重要なものの一つとなっている.近年では、サンダルウッド油の代替品として、テルペンフェノール類などの合成香料が数多く開発されている.(中村充志)