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乳頭層 [papillary layer]

真皮上層には乳頭が林立し、これに組み合わさるようにして表皮突起*が真皮側に向かっている.このような表皮突起間で囲まれた真皮領域を乳頭層、または真皮乳頭層という.老化皮膚では乳頭が減少し、表皮真皮接合部*は平坦化する.乳頭層の主成分はI型とIII型コラーゲンであるが、乳頭層のコラーゲン線維は真皮網状層に比べると細くまばらである.このほか神経末端やエラスチン線維、および毛細血管のループが密に分布している.皮膚の適度な柔軟性はエラスチン線維の働きによるもので、皮膚弛緩症や老人の皮膚ではエラスチン線維が減少ないし変性し、皮膚は緩んだ状態となる.エラスチン線維の主成分であるエラスチンは、乳頭層では細線維状で細かく枝分かれし、表皮基底膜に対して垂直に伸びている.光老化皮膚の特徴である日光性弾力線維変性ではエラスチン線維が変性、凝集し、乳頭層から乳頭下層にかけて沈着する.(松永由紀子)

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