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ヒアルロン酸 [hyaluronic acid]

真皮にあるコラーゲン線維エラスチン線維が形成する網目構造の隙間を充たしている酸性ムコ多糖類の主成分で、真皮に存在する線維芽細胞でつくられる.最近、表皮にも存在することが知られる.かつては鶏のとさかから抽出・精製されていたが、近年はバイオ技術により生産されている.無定形のゼリー様成分で、真皮の水分保持機能を担う.保水力は非常に高く、ヒアルロン酸1gに対して水分約6Lを保持できる.水分を保持したヒアルロン酸は真皮の中でクッションの役割を果たし、真皮の網目構造の柔軟性維持を助けて皮膚にはりとうるおいを与える.生理的老化により皮膚のヒアルロン酸量は減少する.なお、一般にはヒアルロン酸ナトリウムとして市販されている.ヒアルロン酸ナトリウムは白色の粉末で水に可溶であり、高い粘性と保水性を有し、さらに官能的にも優れることから、保湿剤として幅広く使用されている.(大林恵、近亮)

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