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ブラッシング性 [ease of brushing]
毛髪をブラッシングするときのしやすさのこと.ブラッシングには、毛髪をときほぐしてスタイルを整えるほかにも、頭皮の汚れを取り除き、皮脂を毛髪全体に行き渡らせてつやを与え、また頭皮に刺激を加えて血行を促進する効果もある.一方、ブラッシングの仕方によっては、ブラシと毛髪との間に摩擦力が生じるため、毛髪のダメージ(毛髪損傷)の物理的要因の主因ともなっている.
ブラッシングと毛髪損傷
ブラシやくしなどによるブラッシングは、毛髪を摩擦したり、絡まった毛髪を引っ張って伸ばしたりするため、毛髪表面のキューティクル(毛小皮)をはがしてしまい、毛髪に損傷を与えやすい.とくに洗髪後のぬれた毛髪は、水分を含んでかなり膨潤した状態にあって物理的損傷を受けやすいので、過度のブラッシングは避けたほうが望ましい.また、乾燥した毛髪をブラッシングすると静電気が発生しやすく、パチパチしたり、広がったりしてスタイルがなかなか整わない.毛髪損傷を極力おさえながら、ブラッシングによる効果を最大限に発揮させるには、正しいブラッシングを行うことが大切である.
正しいブラッシング
まず、毛髪に対する平滑作用、柔軟作用、帯電防止作用があるヘアケア化粧品を使用して、毛髪の摩擦力を低下させ、静電気の発生を防止することが重要である.日常生活で使用されるシャンプーやリンス、ヘアトリートメントも、これらの作用があるように開発されているが、ブラッシング前に、シリコーン油など毛髪に潤滑性を与える油分などを配合したアウトバストリートメントを使用すると、さらに効果的である.その上で、毛髪になるべく力がかからないようにブラッシングする.根元から一気にブラッシングするのではなく、まず絡まった毛先をやさしくほぐして毛の流れを整え、抵抗がかからないようにしてから、最後に根元から毛先へかけてブラッシングする.このようなやり方でブラッシングすると、毛髪とくに毛先にかかる力が軽減するため、毛髪損傷を抑制することができる.とくにロングヘアは絡まりやすく、毛先に向かうほど長期間外的ストレスにさらされて損傷を受け続けているため、注意が必要である.(石井景子)