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ポイントメークアップ化粧品 [point make up]
目元、口元など部分的に施すメークアップのことで、これに用いる化粧品をポイントメークアップ化粧品とよぶ.顔の印象は、目や唇、鼻などの大きさや形、位置などの微妙な違いにより大きく変わる.顔を部分ごとに彩り、陰影をつけたりラインを引くなどして、さまざまな印象に演出する効果がポイントメークアップに期待できる.種類と役割・機能ポイントメークアップ化粧品には、目的や使用部位ごとに多くの種類があり、美しさ、豊さなどを演出する美的、心理的役割や、乾燥や紫外線の刺激を防ぐ保護的機能を果たしている(→メークアップ化粧品の表).組成・剤型ポイントメークアップ化粧品を構成する原料は時代とともに変化しているが、基本的には、着色顔料、白色顔料、体質顔料、真珠光沢顔料(パール剤)などの色材と、これらを分散させる基剤である.そして、これらの配合比率を変えることで、粉末状やクリーム状などさまざまな剤型のものがつくられる.目元や口元などを彩るポイントメークアップ化粧品は、メークアップ化粧品の中でもとくにカラーバリエーションが多く、そのためさまざまな色材が用いられる.しかし色材、とりわけいくつかの有機顔料は、人体への安全性の点で問題点があるともいわれ、化粧品への使用にあたっては薬事法により厳しい規制が設けられている.最近は精製技術の進歩によって安全性が疑問視されていた不純物の分離が可能となり、それにより使用が可能となった色材もある.たとえば、かつて赤色204号であるレーキレッドCBAには、接触アレルギー性を示す1-フェニルアゾ-2-ナフトールとその誘導体が含まれていたが、現在ではこれらをまったく含まない赤色204号が工業的に合成されているため、使用が可能となった.(角田依子)