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抗菌剤 [antimicrobial agent、 bactericide]
有害な微生物を殺菌したり、増殖を抑制、阻害する薬剤で、防腐剤と殺菌剤を便宜的に称してよぶ.抗菌は微生物学の分野での学術用語として使われているものではないが、微生物の抑制の方法、すなわち殺菌、消毒、滅菌、生育阻害などすべてを包含した曖昧(あいまい)な言葉で日常生活の中でばく然と使用されている用語である.防腐剤と殺菌剤は使用目的や微生物に対する作用形態などが異なるものとして区別されるが、実際はそれほど厳密な区別ではなく、同一の抗菌剤であってもその使用目的によって防腐剤になったり、殺菌剤になったりするのである.抗菌剤としての理想的な条件は、次のような特性を有するものとされているが、これらの条件すべてを具備している抗菌剤は多くない.①多種類の微生物に対して効果を示すこと②水溶性であること.あるいは通常用いられる化粧品成分に容易に溶解すること③毒性、皮膚刺激性のないこと④中性であること.すくなくとも化粧品のpHに変動を与えないこと⑤処方中の有機物などによりその効果が減少しないこと⑥化粧品の外観を損なうような着色、褪色や変臭が発生しないこと⑦広い温度範囲、pH範囲で安定であり、効果があること⑧入手が容易で、品質が安定していること⑨安価で経済的であること(竹内明)