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シプレー調 [chypre tone]
1917年にコティ社から発売された香水“シプレー”の香調で、その名前がそのまま香りの分類の一つとなった.シプレーとは、地中海のキプロス島が昔フランス領だった時代の名、シープル島に由来し、この島をイメージしてつけられた.もっとも大きな特徴は、フレッシュなベルガモット油のアクセントとオークモスアブソリュートのベースノートによる調和のとれたコントラストにある.さらに、ローズやジャスミンを主としたフローラルや、パチョリ、ムスクなどがアコード(調和)されることにより、温かみのある深い香りとなり、優雅さ、女性らしさ、大人っぽさなどの印象を醸し出す.また、基本的なシプレーの香りに種々の変調がなされ、女性用、男性用を問わず、多くのフレグランスが現れてきた.アルデヒドシプレー調、フルーティシプレー調、レザーシプレー調などはアレンジの例である.(小林広治)