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大脳皮質 [cerebral cortex]

頭蓋骨の内側、大脳の左右半球の表層を形成する灰白質で、厚さ1〜5 mmの部分でありながら神経活動の中枢である.表面積は1,800〜2,000 cm2、容積は400〜500 cm3で、およそ1,400億個の神経細胞からなっている.系統発生学的に古い古皮質および原皮質と、それを包み込むように、進化に合わせて発達してきた新皮質からなり、古い皮質は食欲、性欲、怒り、恐怖など本能的な面を受けもっている.新皮質は思考、判断、会話、記憶、創造など高度な精神活動を行っているが、その表面は多くの溝で覆われ、深い溝によって前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分かれ、それぞれ特定の機能を担っている.前頭葉は思考、判断、計算など高次の機能を担っており、後方部分には四肢の運動機能をつかさどる運動野がある.他方、頭頂葉は運動野の後ろに位置し、痛み、圧力、温度などの感覚機能を担っている.また、側頭葉は聴覚、嗅覚、感情などを、後頭葉は視覚をつかさどっている.なお、ストレス刺激も大脳皮質視床下部をへて、副腎皮質系と自律神経系を通して全身に伝達されている.(柴谷順一)

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