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ラメラ構造 [lamellar structure]
薄い層状または板状の構造が積層している構造(図).とくに角層細胞間脂質の構造をさす場合がある.角層細胞間脂質は、セラミド、脂肪酸、コレステロールを主成分とするが、これらは分子内に疎水性部分と親水性部分とをもっているため、規則正しく配列して層状の集合体を形成する.角層を四酸化ルテニウムという特殊な薬品で固定してから薄切切片を作製し電子顕微鏡で観察すると、角層細胞間に規則的な濃淡からなる縞模様が観察される.濃く染色される層が脂質の親水性部分の層を、淡く染色される層が脂質の疎水性部分の層を反映していると考えられる.ラメラ構造の構築は、優れた角層バリア機能を有する角層において観察されるが、角層バリアの機能低下に伴ってラメラ構造の形態的な乱れも認められる.したがって、ラメラ構造の構築は角層バリアの形成に必須であると考えられている.(平尾哲二)