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オレイルアルコール [oleyl alcohol]
9位に二重結合を有する炭素数18の直鎖脂肪族アルコールのうち、シス形のものをいう．無色〜淡黄色の透明な液で、わずかに特異な臭いを有している．水に不溶でエタノール、エチルエーテル、ベンゼンに可溶である．
天然には有歯鯨類であるマッコウクジラ、ツチクジラの脂質の主成分である液体ろうに多量に含まれており、これらのくじら油をけん化した後、蒸留して留出した脂肪アルコールを精製して得ていた．現在はオレイン酸のカルボン酸を選択的に還元して得る方法により製造されている．
オレイルアルコールは皮膚に対する柔軟性を有しているので、クリームや化粧水、パウダーなどの過脂肪剤およびエモリエント剤（油性成分）として使用される．また、水中油（o/w）型エマルションの乳化安定剤としての作用をもつ．種々の界面活性剤の原料としても使用されている．（西田勇一）