LIBRARY ライブラリー
角層除去 [exfoliating、 desquamation]
角層剥離、角層クリアともいう.古くなって不要となった角層を物理的あるいは化学的作用で取り除いて皮膚をなめらかにすること.目的や使用部位に応じて種々の方法がある.足のかかとやひじのように角層が厚くてごわごわしている部位では、乾燥や加齢により、肌表面がガサガサしたり、ひび割れなどがよく起こる.この場合、軽石やそれに類似したきめの細かいソフトなやすり状のもので皮膚を軽くこすると、硬い角層を取り去ることができる.また、天然スクラブ剤、角層柔軟成分や角層剥離剤が入ったクリーム、あるいはゴマージュ製品で軽くマッサージすることも効果がある.顔面では、皮膚の乾燥、水分と油分のモイスチャーバランスの乱れ、精神的ストレスあるいは加齢によって、角層のターンオーバーや剥離がスムーズにいかず肌表面に角層が残りやすくなる.余分な古い角層は、皮膚の透明感を消失させ、くすみがちな肌にしたり、ごわごわした肌感触や、白く粉をふいた状態になって化粧のりを悪くしたりと、肌の美しさを損なわせる.このような場合には、角層細胞間の接着力を弱める角層剥離促進剤、角層ターンオーバーを整える角化調整剤、肌荒れ改善剤などを配合した洗顔料や化粧水などを用いると、無理なく余分な角層を取り除くことができる.また、スクラブ剤や顆粒で軽くマッサージしたり、化粧水をひたしたコットンで軽くふきとるような方法も活用される.近年の美容外科、美容皮膚科に代表される美容医療領域では、しみ、にきびの治療の目的で、化学的作用で角層を強力に剥離するケミカルピーリング剤やレーザー治療などの方法も用いられている.これらの方法は角層除去の効果には優れるが、皮膚への刺激が強いので、施術後のスキンケアや日常紫外線の防御対策などが十分に必要となる.(高須恵美子)