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感覚刺激 [sensory irritation]

香粧品科学における感覚刺激とは、健常な皮膚において化粧品や洗浄料などを塗布したさいに生じる炎症を伴わない感覚的に不快な刺激のことである.具体的には、ひりつき、かゆみ、ほてりといった症状であり、英語では“tingling”“itching”“urning”などと表現される.感覚刺激は個人による感受性の差が大きく、同じ物質でも人によって感じ方が異なる場合がある.さらに同一人が同一物質を塗布しても、その刺激の感じ方は湿度や温度といった外的要因および体調などの内的要因による影響を受け左右される.感覚刺激を起こしやすい人の皮膚生理については、皮脂量、角層水分量経表皮水分蒸散量(TEWL)、皮膚色、皮膚pHに関して明確な特徴は見出されていないが、角層バリア機能の低下を示唆する報告がある.さらに適切なスキンケアにより感覚刺激感受性の低下が認められた例もあることから、スキンケアの重要性も指摘されている.(足利太可雄)

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