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抗酸化酵素 [anti oxidative enzyme]
活性酸素(→フリーラジカル)を代謝していく働きを担っている酵素のことで、生体内ではスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどが代表的な抗酸化酵素である.SODはスーパーオキシドアニオンを不均化する反応を触媒する酵素であり、2分子のスーパーオキシドから酸素と過酸化水素を生成する.カタラーゼは傷害性の高い過酸化水素を不均化し、水と酸素を生成する.グルタチオンペルオキシダーゼは過酸化水素や過酸化脂質を水やアルコールに還元する働きをもっている.これらのほかにも皮膚の中では、ケラチノサイト(表皮角化細胞)に誘導されたメタロチオネインがサンバーンセルの形成を抑制することや細胞内のレドックス(酸化還元)を制御しているチオレドキシンがメラノサイトのメラニン産生に影響を及ぼすことなども報告されている.また、抗酸化的な代謝系に関与するという意味でグルタチオン−s−トランスフェラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼなどを広義の意味で抗酸化酵素に分類する場合もある.(畑尾正人)