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アンカリング複合体 [anchoring complex]

表皮真皮の間にある基底膜に存在するタンパク質の会合体.表皮と真皮という二つの異なった組織の結合や情報伝達を安定させる役割を果たしている(図).アンカリング複合体を形成している主要なタンパク質は、表皮基底細胞の基底膜側にのみ存在するヘミデスモソームの構成タンパク質である.α6β4インテグリン、XVII型コラーゲン(BP180)、それらと結合するラミニン5、さらに真皮最上層に存在するVII型コラーゲンがあげられる.ラミニン5は表皮基底細胞と基底膜をつないでいる細線維であるアンカリングフィラメントの、一方、VII型コラーゲンは基底膜と真皮をつないでいるアンカリング線維の、それぞれ主成分で、この両者は強く結合して特異的な構造を形成する.また、このアンカリング複合体はケラチノサイトの細胞骨格系に含まれるケラチン中間径線維と、真皮乳頭層の結合組織タンパク質(コラーゲン細線維など)の双方につながり、表皮層を真皮にしっかりと結合させている.(西山敏夫)

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