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石けん [soap]

脂肪酸塩の総称.固形石けんまたはアルカリ石けんともいう.狭義には脂肪酸アルカリ塩からなる固形のものをいう.石けんは油脂をアルカリで煮ると脂肪酸アルカリ塩とグリセリンとに分解する.これがけん化分解である.この分解物に食塩を加えるとグリセリンと水分を30%含む脂肪酸アルカリ塩とに分離する.後者をニートソープといい、これを原料として、水分を約15%前後調整すると固形の石けんが得られる.固形石けんは泡立ちがよく、洗いあがりもさっぱりしており、多くの日本人が石けんの感触を好んでいる.一方、欠点はアルカリ性であること、耐硬水性に劣ること、泡立ちが使用中にだんだん悪くなることなどである.この欠点を改善したものに弱酸性石けん合成固形石けん透明石けんなどがある.石けんには粉末状と固形状のものとがある.固形石けんは透明石けんと普通の固形石けんに分けられる.特殊なものとしては紙石けんなどもある.また、用途で分類すると洗濯石けんと化粧石けんがある.両者の違いはアルカリが強い、弱い、香料が入らない、入る、また化粧石けんの脂肪酸は精製度が高いなどという点である.(田端勇仁)

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