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敏感肌 [sensitive skin]

かぶれ*、肌荒れにきびなどのトラブルを起こしやすい肌のこと.角層バリア機能の低下や乾燥肌アトピー素因アレルギー体質を背景に、外的環境因子、化学物質、内的要因などが大きくかかわっている.
バリア機能
敏感肌では、角層バリア機能が低下している場合が多い.これは、経表皮水分蒸散量(TEWL)が高いことに由来し、バリア機能の低下に伴い物質が吸収されやすく、サイトカインによる炎症反応などが誘導されやすい状態で、刺激に対する感受性が亢進しているという状況を示す.角層バリア機能低下の背景には、ターンオーバーが速まり、細胞間脂質量の低下、コーニファイドエンベロープの不完全な形成状態、角層細胞の微細構造変化などの現象が認められる.なお、機器測定でバリア機能の低下が認められない場合でも、感覚刺激反応などの症状が発現することもある.
スキンケア
敏感肌は外的環境因子、化学物質、内的要因などの原因により乾燥肌、バリア機能低下、物理刺激、感覚刺激を含む皮膚刺激、アレルギー反応、にきびなどのさまざまな症状が現れやすいが、それが生じた内的、外的な環境因子を考慮した上で、保湿、バリア機能の改善、外界刺激からの保護に有効な手段で手入れすることが必要である.刺激に対する感受性が亢進した状態(易刺激性)あるいはアレルギー体質の敏感肌には、低刺激性・低アレルギー性の製品を使用する必要性は高い.さらには思春期のにきびとは異なるいわゆる大人のにきびができやすい女性でも、バリア機能の低下が観察され、敏感肌の範疇(はんちゅう)に入る場合がある.これらの肌には、低刺激性で、保湿剤、水分などの配合バランスが肌質に適した製品を用いることが望ましい.また、アトピックドライスキンに対しては、低刺激性のしっとりした使用感の洗顔料で肌をかさつかせず、清潔に保ち、保湿製剤で角層の水分・油分を補い、モイスチャーバランスを保ち乾燥から肌を防御することが有用である.しかし、低刺激牲・低アレルギー性化粧品であっても、肌質に適合していない場合や誤った使用法をした場合には、皮膚トラブルになる可能性がある.過度の洗顔、過度のマッサージで皮膚トラブルになる場合もあり、正しい使用法でスキンケアする必要がある.適切なスキンケアは、角層水分量、バリア機能、角層細胞の微細構造、角層中の微弱炎症などの指標が亢進している状態から、肌を健常のレベルに戻すことが明らかにされている.(市川秀之)

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