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にきび肌用化粧品 [antiacne preparation]

にきびの発生を予防したり、悪化を防ぐための化粧品や医薬部外品で、アクネ用化粧品ともよばれる.過剰な皮脂を取り除くものや皮脂腺の過剰な働きを抑制するものが一般的で、これに抗炎症剤抗菌剤を配合することが多い.製品の種類は洗顔料や化粧水を中心に、最近ではメークアップ化粧品まで多岐にわたる.一方、“にきびを防ぐ”という効果を訴求する医薬部外品の製品は、薬用石けん、洗顔料、化粧水、パック、クリーム、乳液に限定される.
にきびへの対処法
にきびの発生および悪化は、毛口の異常角化や過剰な皮脂分泌、Propionibacterium acnesなどの細菌による炎症、活性酸素(→フリーラジカル)による炎症の拡大などが原因であると考えられている.そこで一般に、にきび肌用化粧品には、これらの要因に対処する薬剤が配合されている(表).さらに基剤を設計するさいは、面皰*(めんぽう)の形成を誘発しない原料を使用することや、できるだけ油分の配合を控えるなどの配慮がなされている場合が多い.
種類と特徴
(1)洗顔料
にきび用洗顔料の剤型には石けんと洗顔フォームの2種類があり、いずれも角層溶解剤や殺菌剤が配合されることが多い.にきび肌用の洗顔料は、過剰な皮脂をきちんと洗い流せる高い洗浄力をもつものが一般的である.しかし近年、20〜30歳代の女性を中心に肌の乾燥とにきびが共存する例が多く見られることを踏まえ、保湿成分を配合したり、皮膚への作用が緩和で洗浄力が穏やかな界面活性剤を配合した洗顔料も設計されている.
(2)パック
にきび用パックは、クレイパックがもっとも一般的である.クレイパックに配合されたカオリンなどの粉体が、過剰な皮脂を吸着除去する.角層溶解剤(→角層除去)や殺菌剤を配合することも多い.
(3)化粧水
過剰な皮脂分泌を抑制する収れん剤を配合した収れん化粧水と共通する基剤からなるものが多く、これに角層溶解剤や殺菌剤をはじめ抗炎症剤や抗酸化剤などが配合される.
(4)クリーム、乳液
油脂の配合を極力控えてホホバ油スクワランなど油性感の少ないものを用い、角層溶解剤や殺菌剤などを配合する.
(5)メークアップ化粧品
にきびを悪化させないよう、毛穴に入り込みにくい粉末を基材として使用し、角層溶解剤などを配合したものが一般的である.(角田依子)

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