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ベースメークアップ [base makeup]
素肌に対する悩み(欠点)を補正し、理想の肌をつくる行為のこと.日本では古来、白粉*(おしろい)などを用いて化粧を行ってきたという歴史がある.現在でも化粧肌に対する関心は高く、肌を美しく仕上げることは化粧の重要な点の一つと認識されている.
ベースメークアップ化粧品
ベースメークアップの役割は肌を美しく見せることのほかに、紫外線から皮膚を守り、唇や肌の乾燥を防ぐという役割がある.肌を美しく見せる機能とは、小じわ、毛穴、粗いきめなどの形態的欠点の補正、しみ、そばかす、にきびあと、くすみなどの色調的欠点の調整、透明感、若々しいはり、つや、立体的効果などの質感的欠点の演出などがあげられる.これらの機能を特徴とする製品を目的にあわせて選択することで、理想の化粧肌に仕上げることができる.ベースメークアップの種類には白粉・打粉*類、ファンデーションなどがあげられる(表).また、ベースメークアップを構成する原料や形状は時代とともに大きく変化しているが、一般には粉体成分を種々の基剤成分中に分散させているものがほとんどである.粉体成分には、体質顔料、白色顔料、着色顔料、真珠光沢顔料(パール剤)などの無機顔料、有機顔料、金属石けん、合成高分子粉体、金属末などの成分があり、ベースメークアップの仕上がりは粉体成分の特徴によるところが大きい.従来は、肌の欠点を補正するために、高隠ぺい性の顔料が多く用いられ、透明感のない不自然な化粧肌になっていた.しかし、現在では素肌の質感を生かした仕上がりが求められ、光の性質を利用することで肌の欠点を補正する光学的効果(ソフトフォーカス効果など)をもった新規素材が用いられている.基剤成分は、水、油、ろう(ワックス)、界面活性剤、保湿剤などで、このほかにも色素、香料、防腐剤、酸化防止剤、安定剤、薬剤などが配合されているものもある.市販されているベースメークアップの剤形には粉末状、固形状、液状、乳液状、クリーム状などがあり、容器の形状も使用目的によってさまざまである.また、美白効果や、脂性、乾燥、敏感肌用など、スキンケア機能を重視したものもあり、消費者のニーズに応えた商品がつぎつぎと誕生している.(平井智子)