LIBRARY ライブラリー
美容液 [essence]
美白、しわの防止や改善、にきび防止、皮膚賦活など明確な機能を備えている付加価値の高い化粧品.ある特定の効能・効果に特化した製品の総称.美容液の名称をもつ化粧品は古くからあるが、その重要性は年々高まってきている.その背景として、消費者が化粧品に求める機能が年々高くなってきていること、皮膚科学技術の進歩によって美白やしわ改善に効果のある成分が開発されるようになったこと、そしてそれらの成分を安定に配合する製剤技術が進歩したことなどがあげられる.剤型も、従来はとろみのある透明または半透明の液状が主流であったが、近年は乳液状やクリーム状のものも多くなってきた.
特徴
美容液の機能は大きく次のように分けられる.
(1)うるおい補給
通常の化粧水に比べて保湿剤の配合量を多くした透明・半透明液状タイプが多く、増粘剤を配合して適度なとろみを付与させたりジェル状にしたりする場合が多い.近年ではより高付加価値の保湿成分としてヒアルロン酸やコラーゲンなどを高配合した保湿美容液もある.
(2)しわ改善
以前は乾燥による小じわの改善をおもな機能としていたためうるおいの補給による対応が主で、(1)項の範疇(はんちゅう)であったが、近年は自然老化や光老化によるしわの発生メカニズムの解明が進み、角層、表皮、真皮それぞれに対応した成分が配合されるようになってきている.その代表的なものがビタミンA類(→ビタミン)を有効成分として配合したものがあげられる.このビタミンA類は油溶性なので油性成分を安定に配合できる乳化系の基剤を用いる必要があることから、これらではクリームタイプの美容液が主流である.
(3)美白
美白の有効成分として、ビタミンC誘導体やアルブチン、4-ブチルレゾルシノール、コウジ酸、エラグ酸などを配合したものがある.
(4)にきび用
抗アクネ菌作用のある薬剤の配合が基本となるが、にきびの発症に関連する各種の要因に対応できるよう、皮脂分泌抑制剤、消炎剤などを併用しているものが多い.剤型は、油分が少ないさっぱりした液状ないしジェル状のものが主流である.
(5)Tゾーン用
Tゾーンの皮脂によるべたつきや化粧くずれの防止が目的で、薬剤として皮脂分泌抑制剤、収れん剤などを配合して対応する場合もあるが、皮脂吸着効果の高い粉末類などを配合することによって物理的な効果で実効をもたせている場合も多い.
(6)日中用
紫外線による悪影響から肌を保護することが目的で、紫外線防御効果と下地効果をあわせもつものが多い(→サンプロテクター).(高橋淳)